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LTR通信
2021年12月12日 [LTR通信]

【ハマ街ビト】(番外編)いざ、磨きの現場へ!〜阿蘇工業株式会社〜

「バフ研磨」「樹脂成形」を軸に事業を展開している阿蘇工業株式会社。本編(LTR通信2022新春号P6 – P7)では、自社の強みや今後の夢などを、代表取締役の今津 太郎(いまづ・たろう)さんにお話しいただきました。こちらでは、工場内でお聞きした磨きの手法についてなど、本編でお伝えしきれなかった内容を番外編としてお届けします。



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――阿蘇工業さんでは、個人のお客さまからのオーダーもOK! しかも1個単位で請けているとお聞きしました。たとえば、どんなものを磨いているのでしょうか?
【今津】うちで加工できる素材は「樹脂、鉄、アルミ、ステンレス」など多岐にわたるので、車の部品や食器類、調理道具にアクセサリーなど、本当にさまざまですね。お客さまに共通しているのは、「ものに対する愛情が深い」ということかもしれません。また、ゴルフパターのようにご自身で大切にしている趣味の道具などを「磨いて綺麗に飾りたい!」といったご要望にもお応えします。

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――なるほど〜。長く大事に使い続けたいからこそ、プロにお願いするという…!
【今津】配送でのやり取りの方も多いのですが、「ようやく、お願いしたいと思えるところを見つけました!」と、遠方から来てくださる方もいて、うれしいですね。

――法人のお客さまはどうでしょう? 会社設立当初は、自動車関連が多かったとか?
【今津】はい。1970年代は自動車部品のアッセンブリーやバンパーの傷、凹みなどの研磨をメインに行っていました。自動車産業が盛んな時代でしたからね。やがて部品が鉄から樹脂に変わってきたことで、車関係にとどまらず、幅広く仕事を請けるようになりました。現在は機械の部品にはじまり、飛行機の翼や業務用洗濯機の洗濯槽など、大型製品の磨きにも対応しています。

――最近は、地方のお客さまも多いそうですね。
【今津】そうなんですよ。石川県や新潟県など、展示会に行ったことで新たな出会いもあり、業務の幅が広がりました。今はメールと電話で仕事が完結してしまうことも多いですが、お客さま先には出来る限り足を運ぶようにしています。やはり、直接お会いして話をする時間は貴重ですからね。

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――阿蘇工業さんでは、「鏡面仕上げ」「バリ取り」の対応を行っているとか。それぞれ「どんな内容なのか」を、もう少し詳しく教えていただけますか?
【今津】「鏡面仕上げ」は、金属の表面を鏡のようにピカピカに仕上げる加工です。身近なところでは、電車に乗った際に掴む“パイプ”の部分などですね。また、ステンレス製のタンブラーなど、製品そのものの見た目を美しくするためにも行います。「バリ取り」は、「バリ」といって、金属などを加工した際に発生する突起を削り除去する作業です。

――今回は特別に工場の中にも入らせていただき、バフ研磨の様子を見せていただけるとか! “磨く”というと、どうしても紙ヤスリのイメージがありますが、バフは柔らかい布のような素材なんですね。
【今津】バフの素材はフェルトや綿布、麻などで、ここに研磨剤を塗布して仕上げます。では、さっそくやってみますね。

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モーターによってバフが高速回転し、ここに金属(製品)を押し当てることで、研磨が行われてゆきます。

――(今津さんは、とても軽々とやっていらっしゃいますが〜)金属を押し当てる力や角度、動かし方など…かなりの技術が必要になりますよね?
【今津】半年間もやれば、ある程度のコツは掴めるようになると思いますよ。慣れるまでは先輩社員が付き、しっかりと実地で学びながら技術を身に付けてもらっています。機械には安全装置も付いているので、その点は安心ですね。



――貴重な研磨の様子を見せていただき、ありがとうございました。ほんの数分の間に、どんどん変化してゆくんですね。
【今津】そうですね。確かに初めて見る方は、少し驚くかもしれません。

――また、ここ数年行っているワークショップなどでは、お子さんたちに「金属磨き体験」が人気だとか?
【今津】そうなんですよ。黙々とやってくれるので、子どもの集中力は素晴らしいなぁ、と思いますね。とくに女の子は、「どんどん光るのが面白い」と、楽しそうに磨いてくれて(笑)。

――女の子はとくに、“キラキラ”するものが好きですからね! ちなみに、どんなものを磨くんでしょうか?
【今津】メダルです。金、銀、銅と3種類を用意しましたが「全部やってみたい!」という声も多くて。あまりにも夢中になって磨いてくれるので、こちらもうれしくなり、逆にパワーをもらう感じですね。

――こういった経験から、「将来、磨きの仕事に就いてみたい」という方がいたら頼もしいですね。研磨の仕事は、どんな方が向いているんでしょうか?
【今津】磨きの仕事に少しでも興味があれば、どなたでもチャレンジしてほしいですね。あとは、「お客さまに喜んでもらいたい!」という気持ちを、常に持てる方がいいかと。磨くという作業を行いながらも、その先にいるお客さまを想うことができる。それが大事だと思うんです。これからも、より多くの方に磨きという仕事の面白さや魅力も伝えてゆけたらいいですね。

――最後にこれから阿蘇工業さんとして、「こんな仕事をしてみたい」という夢、想いをお聞かせいただけますか?
【今津】阿蘇工業のことを「多くの方に知ってもらいたい」というのはもちろんですが、人に感動を与えられるような仕事がしたいです。大きな夢かもしれませんが、それが歴史に残るような…。たとえば、オリンピックの聖火を運ぶトーチや聖火台など、いつまでも輝きを放ち、自分が磨いたものが人の心に刻まれるような仕事ができたらいいですね。

阿蘇工業株式会社
住所/神奈川県横浜市泉区岡津町2259
電話/045-811-0278  FAX/045-812-5907 
営業時間 : 平日8:00〜16:45
ホームページ/https://www.aso-kk.co.jp/

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(取材・文/小林 真由美)

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