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2019年10月05日

【くらしに関する法律知識】寄与分(1) 認められるケースと事例

LTRでは、本ブログを通して皆さまのお役に立てるくらしに関する法律知識・情報を定期的に発信していきます。

今回は「寄与分(1) 認められるケースと事例を紹介します。

「何年も家で夫の親を介護していた」「親の会社を引き継ぎ、業績を伸ばした」…このような場合は民法904条(寄与分)に則り、遺産分割で自己の取得分を増やすことができます。被相続人のために自分を犠牲にしたのだから、「他の相続人より多くの財産を相続したい」という正当な要求ですね。


寄与分が認められるケース

寄与分は、前記のとおり共同相続人のなかの特定の相続人だけについて相続分を増加させる制度ですから、法定相続分の例外的な扱いになります。民法では、寄与分が認められる要件として以下の3点を挙げています(民法904条の2)。

@共同相続人による寄与行為であること
A寄与行為が特別の寄与であること
B被相続人の財産の維持または増加があり、寄与行為との間に因果関係があること

寄与の具体的な行動としては、下記のような点が該当します。
・長男として父の事業を手伝ってきた
・被相続人の事業に資金を提供した
・被相続人の娘が仕事を辞めて、入院中の付き添いをした

さらに寄与分が認められるためには「特別の寄与」であるかどうかが重要になり、次の4つの要件を満たしていることがポイントになります。
@報酬が発生しない「無償性」
A1年以上の長期間に渡って従事してきた「継続性」
B片手間で行ってはいないという「専従性」
C被相続人との身分関係(妻・子ども・兄弟など)


寄与分が認められる事例

●家事従事型
被相続人の事業にほぼ無償に近い形で従事し、被相続人の財産増加に寄与したケース。事業の典型例は農業や商工業です。

●金銭など出資型
たとえば、相続人の妻が婚姻後も共働きを続け、被相続人たる夫名義で不動産を取得する際、自分が得た収入を提供する場合などが該当。また、借金返済のために金銭を贈与する場合なども寄与の対象となりますが、会社への金銭出資は原則として寄与には当たらないとされています。

●療養看護型
相続人が被相続人の療養看護を行って付添い看護の費用を抑え、相続財産の維持に寄与した場合などが該当。家業従事型と同様、被相続人との身分関係や期待される以上の寄与行為であるほか、持続性や専従性が必要となります。なお、介護保険導入によって「老親の介護」に関する寄与は認められにくくなっているので、要注意です。

●扶養型
相続人が被相続人を扶養して生活費を賄い、相続財産の維持に寄与する場合。 ただ、夫婦は互いに相互扶助の義務を負っていますし、直系血族や兄弟姉妹は互いに扶養する義務を負っていますので、「特別の寄与」に当たるかどうかの判断は難しいと言えます。


●財産管理型
被相続人の財産管理を行い、「管理費用の支出を免れた場合」や被相続人所有の土地の売却に際し、「同じ土地上の家屋の賃貸人の立ち退き交渉や、その他の書類手続き、および土地の売却代金の増加させた場合」などが該当。この場合は専従性・継続性といった要件は考慮不要で、金銭出資型に準じて特別の寄与といえるかどうかが判断されることになります。


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