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お役立ち情報
2021年09月24日 [お役立ち情報]

弁護士が分かりやすく解説!パワーハラスメントとは?

今回の [お役立ち情報]のテーマは、「パワーハラスメント」です。厚生労働省では、職場でのパワハラについて「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義しています。

しかし、これだけでは、パワハラの真の意味を理解するのは難しいですよね。そこで、具体的な事例も踏まえながら、弁護士の竹中氏に分かりやすく解説してもらいましょう。

※以下の内容は実際の相談をもとに、人物や場所が特定されないように作成しています(文中の人名は仮名です)。



■業種:製造業(従業者規模:100人前後)
●会社経営者:山田さん
●従業員:佐藤さん
●従業員(佐藤さんの部下):田中さん


会社経営者の山田さんは、従業員である田中さんの代理人弁護士を通じ、以下のような詳細の内容証明郵便を受け取りました。「上司(佐藤さん)のパワーハラスメントによって『うつ病』を発症しました。損害賠償をしてください」。

田中さんが問題としてあげているのは、以下の2つの内容です。
1) 上司の佐藤さんが、田中さんのことを厳しく叱責した
2) 上司の佐藤さんが、田中さんの容姿をからかうような発言をした


(弁護士)竹中:ここで、改めてパワーハラスメントの定義(厚生労働省の告示参照)を整理してみると、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるものであり、これらの要素を全て満たすもの」となります。

会社には従業員に対して指揮・命令をする権限がありますから、客観的な立場から「業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導」については、 職場におけるパワーハラスメントには当たりません。では、田中さんが問題としている点について、もう少し詳しく聞かせていただけますか?



(経営者)山田:1)の「叱責」について佐藤に確認したところ、「最近ミスが続いていたので、気をつけて業務にあたるように!」注意したとのこと。2人とも製造の現場で勤務しているため、一つのミスが大事故につながる可能性もあるんです。わたしとしては、ある程度厳しく注意するのは、仕方がないと思っています。

(弁護士)竹中:田中さんの業務上のミスが、叱責の理由ということですね。

(経営者)山田:はい、そうです。2)の「容姿」については、佐藤と田中を含めた複数の社員が休憩中、ダイエットの話題になったようで・・・。その際に佐藤が「田中くんも、ダイエットをしてみたら?」と言ったそうです。その瞬間、周囲にいたメンバーも同調していたようなので、本人は侮辱されたと感じたのかもしれません。

(弁護士)竹中:なるほど。では、法的な観点を踏まえて問題点を確認してみましょう。
まず、1)について。上司である佐藤さんの主張通りであれば、会社としては「業務上必要かつ相当な範囲で行われる指導」をおこなったことになります。ただ、他の従業員がいる前で程度を超えて執拗に叱責をし続けた場合、問題となる可能性はあるでしょう。

2)についても、相手が明らかに嫌がっているにも関わらず、繰り返し、そのような発言を続けたのであれば、違法と評価される可能性もあります。

会話の流れから「ダイエットをしてみたら?」と示唆した程度であれば、違法とまでは言えないでしょう。しかし、その時の状況(周囲にも同僚がいる)等も踏まえ、相手を不快にしたのであれば、「この発言は言うべきだったのかどうか?」という問題が残ります。容姿やプライベートに関する話題の場合は、特に注意が必要でしょう。



以下6つの類型が、裁判例などにより違法なパワーハラスメントと認定されています。

1)身体的な攻撃・・・暴行・傷害
2)精神的な攻撃・・・脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3)人間関係からの切り離し・・・隔離・仲間はずし・無視
4)過大な要求・・・業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5)過小な要求・・・業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
6)個の侵害・・・私的なことに過度に立ち入ること


経営者や上司が過度に萎縮して、あれもこれもパワハラにあたるんじゃないかと気にするあまり、何も発言できなくなるような環境は、かえって職場の雰囲気が悪くなってしまいます。働く人同士が、お互いに“思いやり”の気持ちをしっかりともつこと。まずはこれを意識することが、ハラスメントに発展させないための大事な一歩になるのかもしれませんね。

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