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LTR通信
2026年05月09日 [LTR通信]

【街のシゴトビト】 (番外編) 「離職率が低い」 <世田谷リ・グリーン>の“働きやすさ”とは? ―“健康経営”の視点から見る組織づくり―

剪定枝(伐採された枝・幹・竹・草)の収集、運搬を通じて、受け入れた生木類を100%再資源化、地域の資源循環に貢献している「株式会社世田谷リ・グリーン」。

LTR通信の誌面(本編/LTR通信2026春夏号P4–P5)では、行政や地域との関係づくりの歩み、事業や自社の強みなどについて、代表取締役の佐野 政之(さの・まさゆき)さんにお話を伺いました。

本番外編では、同社の「離職率の低さ」の背景にある“働きやすさ”について、近年注目される“健康経営”の視点も交えながら掘り下げます。

▶街のシゴトビト本編(本誌記事)はこちら
街のシゴトビト本編4ページ
街のシゴトビト本編5ページ





―前職は大手不動産会社で営業職をされていたとお聞きしました。顧客(造園業、植木屋さん)や行政との関係性はもちろん、従業員とコミュニケーションを図るうえでもその経験が活きているそうですね。

【佐野】定期的に個人面談を実施しているんですが、表情や受け答えの中で、“違和感”を察知するのは早いほうかもしれません。少し大袈裟に言えば、「言葉の裏にある感情を読む」といったことを意識しています。

―なるほど! “違和感”は、具体的にどういった会話の中で感じますか?

【佐野】たとえば「最近、仕事はどうですか?」のような問いをした際、「はい、特に問題ありません」のような返答があったとします。でもその表情や声のトーンから、「何かあるかもしれない」と感じた。そうなれば、しっかりと話を聞く必要があります。そういった、わりとシンプルなことですね。

この辺りのことは、前職での経験が大きいんです。お客さまに家をご案内したとき、その場では「いいですね」という言葉を頂いたのに、良い結果に結びつかないことも。まさに、今の面談で直面するのと同じようなことがありました。そういった経験の中で、本音を引き出す「聞く力」の大切さを学んだのかもしれません。

―組織のリーダーや上司に傾聴力があるのは、働く人にとって有難いことだと思います。日々の対話は、従業員のメンタル面のケアという意味でも重要ですね。こういった従業員との“向き合い方”が、「離職率の低さ」(本編/LTR通信2026春夏号P4–P5より)にも繋がっているのでしょうか。

【佐野】そうであれば嬉しいですが、もちろん私だけの力ではなく、現場ではリーダーシップを発揮してくれる<勤続年数の長い(10年以上の)メンバー>の存在も大きいと思います。

―定期的に交流を図る場(社員旅行やバーベキューなど)も設けているとか?

【佐野】「飲み会」が減っているご時世ですが、ウチではそういう時間もありますし、メンバーが率先してイベントを計画しています(もちろん、参加は任意)。交流の場だけでなく、十数名という規模だからこそ、気軽に意見や想いを伝えやすい「風通しの良さ」は、特に大事にしている部分ですね。

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株式会社世田谷リ・グリーン
代表取締役 佐野 政之さん




―「離職率の低さ」について、働き方や待遇面で意識されていることはありますか?

【佐野】そうですね。たとえば入社後5年間は昇給の機会をしっかり設けたり、繁忙期には「大入り手当」を支給したりしています。また、残業はほとんどなく、勤務日数も週4日から6日まで選べる形とし、それぞれの生活に合わせた働き方ができるようにしています。

仕事をするうえで、プライベートを充実させることは大切にしたい部分です。しっかり働いて(稼いで)しっかり休む! そのバランスは大事にしています。とはいえ、ウチは働くのが好きな人が多くて(笑)。「休みを増やそう」と言っても、「もっと働きたい」という声が出ることもあります。有難いことですけどね。

―御社では資格がなくても働ける一方で、大型免許の取得を目指す方が多いそうですね。

【佐野】はい。入社時に特別な資格は必要ありませんが、働く中でステップアップできる環境は大切にしたいと考えていて。大型免許を取得すると、処分場への運搬業務を担えるようになり、給与にも反映されます。実際、入社後にほとんどのメンバーが免許取得を目指しますね。

―従業員の皆さんにとって「できることが増えてゆくこと」や「任される仕事の幅が広がってゆくこと」は、自然と“やりがい”につながっているようにも見受けられます。では最後に、今後の目標があれば教えてください。

【佐野】弊社では現在、剪定枝(庭木や街路樹などの手入れを行った際に出る枝や幹のこと)の収集と運搬をしていますが、運搬後の処分までを一気通貫で行えたらと。都内はもちろん、全国的にもそこまで行っている会社は多くないと思うので、それは大きな目標としてありますね。

もう少し現実的なところで言えば、従業員が毎日健康で怪我もなく、「この会社で長く働きたい!」と感じてもらうこと。現状維持は衰退ともいわれがちですが、大事な側面があるとも感じています。これからも、そんな目標を踏まえながら、歩み続けたいですね。

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持ち込まれた剪定枝は、ここから各処分場へ。
重機と人の手作業を組み合わせながら、再資源化へとつなぐ

(取材・文/小林 真由美)

株式会社世田谷リ・グリーンのホームページはこちらから

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