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LTR通信
2025年04月15日 [LTR通信]

【ハマ街ビト】株式会社コウセイ 専務取締役 國光氏にインタビュー〜会社の強みや健康経営、SDGs・環境への取り組みについて〜(インタビュー第一弾)

※こちらの記事は「LTR通信2024秋冬号」に掲載中です。

▶最新の記事(インタビュー第二弾)はコチラから【LTR通信2025春夏号4ページ】
▶最新の記事(インタビュー第二弾)はコチラから【LTR通信2025春夏号5ページ】

横浜には、独自のサービスや技術の強みを生かした魅力的な企業、団体が数多く存在しています。LTR独自の視点で他社の参考になる先駆け的な取り組みや、新たな挑戦をする企業とヒトをピックアップ。今回は、健康経営(※)やSDGs・環境への取り組みなどをテーマにしたインタビュー記事をお届けします。

※健康経営:企業が従業員の健康管理を経営課題として捉え、積極的に取り組むこと。

『今ある給排水管をできる限り活かす』といった「更生工事」のプロフェッショナルとして、1996年に創業した株式会社コウセイ。廃材を最小限に抑え、新管同様に生まれ変わらせる「更生工事」は、環境に配慮した工法としてSDGsの取り組みにも直結しています。今回は専務取締役の國光 一平(くにみつ・いっぺい)さんに、会社の強みや健康経営、SDGs・環境への取り組みなどについてお聞きしました。





―まずは、事業についてお聞きします。給水管・排水管の工事には、「更生工事」と「更新工事」があるんですね。
【國光】はい。「更生工事」は今ある給排水管を残しながら、サビや汚れを除去し、最新の加工技術で新管同様の給水管へと生まれ変わらせる工法です。大規模な工事による騒音や振動がないことも特徴ですね。

―現在使っているものを可能な限り活かす……古くなった配管を廃棄しないなどは、環境に配慮していると感じます。
【國光】そうなんです。低コストや短納期といったメリットのほかに、環境負荷が少ないという点が大きな利点だと思います。ただし事前調査を行った際、劣化などの状況によって新しい配管に取り替える「更新工事」をご提案することもあるんです。
目安として、築25年前後の集合住宅の場合は「更新工事」をお勧めしますね。県内で「更生工事」「更新工事」の二つができる企業は少ないので、そこは強みだと思っています。
(更生工事は、運搬やゴミの排出などで発生するCO₂削減に貢献できる。例:50戸のマンションでの給水給湯工事を想定した場合、更生工事は更新工事を比較すると、CO₂削減の差は2146s。これは1本の杉の木が1年で吸収するCO₂の244本分にあたる<杉の木1本当たり役8.8sのCO₂を吸収していることになる/林野庁ホームページを参照>)

―まずは診断してもらい、その上で最適な提案をしていただける。お客さまにとっても、的確なアドバイスや選択肢があることは安心ですね。
【國光】他に弊社の特徴を挙げるとすれば、改修工事を請け負えるということですね。改修工事はお客さまが住んでいるお宅にお邪魔するため、一定の教育を受けた者しか対応できません。お客さまの信頼を得るため、好感度の高い見た目はもちろん、コミュニケーション能力も重要となるので、人材教育には力を入れています。そういった「人間力」を評価いただいたことが、現在までの実績につながっているのかもしれません。



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株式会社コウセイ 専務取締役 國光 一平さん

―「教育」といえば、國光さんはかつて教員をされていたとか?
【國光】はい。6年ほど小学校で教員をしていました。そこで得た経験は、今も大変役立っています。

―具体的に教えていただけますか?
【國光】細かな指導というよりも、「どう人を見て、どう接するか?」というところです。子どもたちは日々成長し、気持ちや行動にも変化が生まれます。それを察知する観察力や対応力などですね。

―なるほど。確かに、それらは大人の社会においても重要な「力」ですね。
【國光】会社でいえば、毎朝元気に挨拶をしていた従業員が、ある日突然明らかに声が小さくなる、仕事に対して消極的になっているなどの変化があった。そんなとき「どうアプローチするか?」は、本から学べることではなく、これまでの経験が大いに活きると思うんです。教員生活の6年間を振り返ると、技術的な経験を積むよりも、非常に大きなことだったと感じています。

その後、國光さんはお父様さまが社長をされている株式会社コウセイに入社。現在は、専務取締役という立場で経営に関わることをすべて担うほか、人事や労務、受注する案件の精査なども行っています。

―経営に携わる中で、お父様さまがつくられた経営理念に深く共感されたそうですね。
【國光】はい。「人にやさしく 仕事に厳しく」です。お客さまへ最善のサービスを提供すること、そのために一つひとつの仕事に対して真摯に取り組むことはもちろん、何よりも仕事をする「人」(全従業員)の満足度と幸福度を大事にする、というものです。今でこそ「社員ファースト」という言葉を耳にするようになりましたが、これは、父が会社を設立した90年代から推奨している考え方で、長年、従業員を大事にしている姿を目の当たりにしてきました。

―ホームページを拝見すると、従業員のご家族も含めたハワイ旅行や食事会など、イベントも数多く開催され、皆さんが楽しんでいる様子が伝わってきます。
【國光】私たちの仕事は、現場こそ違いますが、基本的には日々同じことの繰り返し。それだけに、モチベーションを保つことがとても大事です。だからこそ、 “非日常”の時間は大切にしたいなぁと。弊社のような従業員数30人規模の会社では、人を大事することが結果的に良い仕事を生みます。これからも、父の教えに自分らしい要素を入れ、時代に合わせて形にしてゆきたいですね。

―それが「健康経営」への取り組みにもつながっているんですね。始めたきっかけは?
【國光】戸塚法人会主催の、LTRの先生方が講師を務められている「きぎょう講習会」がきっかけです。昨年(2023年)「健康経営」をテーマにした講習を受講して、弊社がこれまで取り組んできたことこそが「健康経営」なんだと気付かされました。それで、認証を取得することにしたんです。

―「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」と「横浜健康経営認証 クラスA」の二つですね。いずれも比較的スムーズに取得できたとか。会社のイメージアップ、求職者へのアピールなどプラスの要素もあると思いますが、従業員の皆さんに何か変化は感じますか?
【國光】そうですね。いくつかありますが、冷蔵庫に栄養ドリンクが入るようになったとか(笑)。福利厚生で、週に1度は無料でジムを利用することができるので、社内の半数以上は通っています。各々の健康に対する意識は、高まったと思います。


―御社の「更生工事」は、まさにSDGs・環境への取り組みですよね。改めてお聞かせいただけますか?
【國光】環境にやさしい工法によって、いつまでもきれいな水を皆さまに届ける。「都会の水を賢く生き返らせる」という考え方を、弊社では「スマートウォーター」と呼び推奨しています。
「更生工事」と「更新工事」を比較したことによる、『騒音が少ない』『廃棄物が少ない』『かかるエネルギーが少ない』『環境への負荷が少ない』『工期が短い』『工費が安い』などが、まさにSDGsの達成に貢献していると登録しました。

―2020年4月に「かながわSDGsパートナー」に登録したそうですね。
【國光】ちょうど創立25周年にあたる年だったんですが、コロナ禍でイベントのようなことはできなかったので、改めて自社の事業について振り返ってみたんです。
そこでたどり着いたのがSDGsでした。給排水管の「更生工事」を中心とし、「安全な水・海の豊かさを守る」を軸に、SDGsの達成に貢献したいと取得しました。

―現場で使用する材料や作業着などにも変化があったとか?
【國光】はい。現場で使う養生材を見直し、FSC認証(森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品を消費者に届けるためのマーク)のものに変更しました。従業員用の作業着もリサイクルに出しているんですよ。

※ここで、認証取得等を担当している総務部の森本 七海(もりもと・ななみ)さんにもインタビュー。

―ご自身の生活で、SDGsについて何か意識していることはありますか?
【森本】自分の洋服や靴などにも、リサイクル品を取り入れるようになりました。ニュースでもSDGsと耳にすると反応しますし、街を歩いていても、関連するチラシやポスターを見るようになった気がします。自分が認証取得等に携わったことで興味も湧き、楽しみながら取り組めていますね。

―日々の暮らしの中で、自然と取り入れているところが良いですね! 森本さん、ありがとうございました。では國光さん、最後に今後の展望についてお聞かせいただけますか?
【國光】健康経営やSDGsの取り組みなどは、新たに始めたことではなく、自社の業務に「ちょっとプラスしたら出来たこと」でした。これからも、そういったことにチャレンジしたいです。
また、一般的にわれわれの業界は年齢層が高くベテランの人材が多いのですが、弊社は平均年齢が30代と、若いメンバーに活躍してもらっています。
これからは人材を増やし、数十年働き続けられる場所となるよう、引き続き健康経営にも力を入れてゆきたいですね。


「さらに採用活動も強化したい!」と話してくれた國光さん。そんな中、今年(2024年)から完全週休2日制を導入したそうです。その辺りの詳しい話は、ハマ街ビト番外編をご覧ください。
☆下記のリンク先をクリック☆
(取材/西端 望 取材・文/小林 真由美)

▶ハマ街ビト番外編はコチラから

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