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LTR通信
2022年11月25日 [LTR通信]

【えるカフェ】コロナ禍で変わったお茶事情

※こちらの記事は「LTR通信2022秋冬号」に掲載中です。
新型コロナが日本で蔓延してから、早くも2年半が経ちました。さまざまな業種や価値観、文化などにも広く影響が及び、ご多分に漏れず、茶道文化にも大きな変化がありました。私自身、現在、裏千家茶道の団体に所属しているということもあり、今回はコロナ禍で変化したお茶事情について振り返ってみたいと思います。



これまで新年には初茶会があり、そのほか地域ごとに行われるものなどを含めると、毎年同じ時期に当たり前のようにお茶会が開かれていました。しかし、この2年半は中止が相次ぎ、当たり前のことを当たり前にできない日々の連続です。それでも今は感染状況を見て、密にならないようお茶会を開催しています。

このコロナ禍で茶道に影響が及んだことの一つに、「お茶の回し飲みがなくなったこと」が挙げられます。通常、濃茶(こいちゃ)の席では、3〜5名程度で飲み回し、茶碗の飲み口は茶碗を清めるための小茶巾で拭きます。しかし現在は一人一服で飲む「各服点」(かくふくだて)が主流になっています。



この各服点は、スペイン風邪が流行した100年ほど前、当時のお家元が始められたといわれています。歴史は繰り返されるもの。それから回し飲みが再開されたことを考えると、この新型コロナもいずれは収束し、当たり前のことを当たり前にできる時代が戻ってくるかもしれないと淡い希望を持っています。

ただ、近年の衛生観念を考えると、回し飲みをすること自体に抵抗がある方もいらっしゃると思います。もしかすると濃茶に関しては、各服点が定着してゆくのかもしれませんね。



そして何よりも、お茶会で正座をする機会が減ったように感じます。多くのお客さまを招く大寄せの茶会などで正座をするのは当然のことですが、お茶席では畳に手をついてお辞儀をするので、席の入れ替えごとに畳を消毒することなどを考えると、かなりの手間となるのです。

最近は、お客さまとしてお茶会にお招きいただいても、椅子席が多くなりました(私も正座が得意な方ではありませんので、これについてはラッキーと思ってしまうときもありますが……)。

映画のタイトルにもなった「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)。これは禅の言葉ですが、お茶席の掛け軸でよく目にします。「一日一日をありのままに生きる」――毎年当たり前のようにお茶会を開催できていたことは、実に幸せなことだったなぁと感謝する日々です。

私自身はまず、本業である不動産鑑定士、建築士として日々を精一杯、ありのままに生きることから始めたいと思います。(不動産鑑定士 鈴木 泰三)

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