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お役立ち情報
2022年04月18日 [お役立ち情報]

社労士が分かりやすく解説(第4回)「病気やケガで会社を休んだ場合の<傷病手当金>について」Q&A

こんにちは。社会保険労務士の山崎です。前回のコラムでは、令和4年1月に法改正(支給期間の通算化)がおこなわれた「傷病手当金」についてお話ししました。今回も引き続き同じテーマで、具体的に改正となった部分(支給期間の通算化)からお伝えしたいと思います。ぜひ、ご覧ください。

▶前回の記事はコチラ
(第3回)「病気やケガで会社を休んだ場合の<傷病手当金>について」Q&A
(第2回)「新型コロナに関する労務問題」Q&A
(第1回)「新型コロナに関する労務問題」Q&A




【顧問先A】:山崎先生、こんにちは。今回もよろしくお願いします。「傷病手当金」について、基本的な内容や対象者、受け取るための条件は理解できました。次に気になるのは、やはり支給期間ですね。今回の法改正では、どのような点が変更になったのでしょうか?

【社労士(山崎)】: これまでの支給期間は、支給開始日から起算して、1年6ヶ月を超えない範囲とされていましたが、支給を開始した日から通算して1年6ヶ月間に改正されました。

【顧問先A】:「通算して」がポイントですね!

【社労士(山崎)】:おっしゃる通りです。以前は、(入退院を繰り返しているケースなど)一時的に就労し傷病手当金を受けていない期間があったとしても、支給開始から1年6ヶ月が経過してしまうと、再び同じ傷病で治療を受けた際には支給されない形でした。その部分が改正され、支給開始日以降に就労していた時期があっても、通算して1年6ヶ月分の給付を受けるまでは、傷病手当金を受給できることになったんです。

【顧問先A】:なるほど! 長期的に治療が必要だったり、入退院を繰り返すケースはあると思うので、非常にありがたいです。

【社労士(山崎)】:そうなんです。たとえば、支給期間のうち1年間ほど休職していた場合でも、出勤日を除く6ヵ月間分の支給期間が残っているので、出勤と治療による休暇を繰り返しながら、段階的に復職することもできますね。



【顧問先A】:では「傷病手当金」の支給額は、どれぐらいになるのでしょうか?

【社労士(山崎)】:1日当たりの金額は、このような計算方法となります。
<支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額>(※)÷30日×(2/3)

支給開始日は、最初に傷病手当金が支給された日のことを指します。大まかですが、お給料の2/3程度と考えてもらってもいいかもしれません。

【顧問先A】:ちなみに、支給開始日の以前の期間が12ヵ月に満たない場合は、どうなるのでしょうか?(※)

【社労士(山崎)】:その場合は、次のいずれか低い額を使用して計算します。

A 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
B 標準報酬月額の平均額

・30万円(※):支給開始日が平成31年4月1日以降の方
※当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額

<参考>
標準報酬月額については、こちらから



【顧問先A】: 新型コロナウイルスに感染した場合でも、傷病手当金の申請は可能ですよね?

【社労士(山崎)】:はい。(社会保険の加入者)申請いただけます。

【顧問先A】:国民健康保険の加入者については、どうなりますか?

【社労士(山崎)】: こちらも、傷病手当金に値するものが支給されます。たとえば横浜市の場合だと、74歳以下で横浜市国民健康保険に加入の方なら、新型コロナウイルス感染症に感染、又は発熱等の症状があり感染が疑われることで会社を休み、事業主から十分な給与等が受けられない場合に支給されるようですね。
※細かい支給要件などは、各市区町村のホームページを参照ください。

【顧問先A】:支給額は、どれぐらいになるのでしょうか?

【社労士(山崎)】:こちらの計算方法に当てはめて算出するようです。
<直近の継続した3か月間の給与収入の合計額÷就労日数>×2/3×日数
※ただし、給与等が一部減額されて支払われている場合や、休業補償等を受けることができる場合は、支給額が減額されたり支給されないことがあります。
※支給額には上限があります。


【顧問先A】:ありがとうございました。

今回は2回にわたり、令和4年1月に法改正(支給期間の通算化)がおこなわれた「傷病手当金」についてお話ししました。やむを得ず病気やケガになってしまった場合でも、このような手当金を利用することで、身体的にはもちろん精神的にも安心できると思います。

いざという時のために、支給期間や条件などの情報を事前に整理しておくのもおすすめです。では、また次回のコラムでお会いしましょう!(特定社会保険労務士 山崎 香織)

※本記事は、2022 年4月18日時点での情報をもとに作成しております。

※出典:全国健康保険協会「傷病手当金について」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r307/
※出典:横浜市「傷病手当金の支給」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/kokuho/iryo/konnatoki/syoubyouteate.html
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