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LTR通信
2023年04月26日 [LTR通信]

【ハマ街ビト】 (番外編) 新たな壁を乗り越える力~遠藤さんの「突破力」とは?

地域密着型の「まめの木薬局」(戸塚区戸塚町)。店長の遠藤 好彦(えんどう・よしひこ)さんは、薬剤師でありながらアンプティサッカー(上肢または下肢に切断障がいを持った選手がプレーするサッカー)の選手としても、ワールドカップに出場するなど大活躍しています。

18歳のとき事故で重傷を負い、右脚を切断。「ずっと義足を隠して過ごしていた」という遠藤さんですが、34歳でアンプティサッカーと出会ってから人生が一変、経営者としてのマインドにも大きな影響があったそうです。

LTR通信の誌面(本編/LTR通信2023春夏号P6–P7)では、経営者にとっても必要な「精神力」、組織が団結することで発揮される「組織力」などを中心にお話をお聞きしました。こちらでは、本編でお伝えしきれなかった内容<日本代表という目標達成後に待っていた壁、それを乗り越えるための力「突破力」>などを、番外編としてお届けします。

【LTR通信2023春夏号】
本編(6ページ)はこちらから
本編(7ページ)はこちらから





アンプティサッカーとの出会いにより、「見たことがない、素晴らしい景色が待っていました」と笑顔で話してくれた遠藤さん。2018年と2022年には、日本代表としてワールドカップにも出場しました。「日本代表選手になる」という目標を掲げたことで、そこに向かう大きな力も湧いてきたそうです。

――ビジネスにおいても目標を実行する前に挫折したり、優先順位が下がり目標自体がなくなってしまたりすることがあると思います。目標を設定するうえで、何か心がけていることはありますか?
【遠藤】私の場合、最初に大きな目標を定めます。そうすると、達成するために「何をするべきか?」が明確に見えてくるんです。その中に“楽しい”と感じられる要素があれば、続けられると思います。

――2022年のワールドカップでも、このように進めていったんですね。
【遠藤】自分としては、4年前(2018年ワールドカップ)以上のパフォーマンスを発揮する必要があったので、3ヶ月ほど前からスケジュールを決めて実行しました(月・水:ランニング、火・土:パーソナルジムでのトレーニング、日・木・金:サッカーなど)。

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まめの木薬局店長・薬剤師 遠藤 好彦さん
(アンプティサッカークラブ「FCアウボラーダ」所属)


――仕事と両立して行うには、かなりハードですね。オフの日もなく?
【遠藤】時間があると、どうしても怠けてしまいますからね。一度スケジュールを組んでしまえば、それ以外の時間はしっかり仕事をし、スケジュールをこなしてゆくだけなので。仕事と競技を両立するには、どうしても時間が足りません。だからこそ、少し厳しいスケジュールを立て、時間を無駄なく使えるように工夫しました。

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アンプティサッカーで使用するクラッチ

※アンプティサッカーでは、日常生活やリハビリ医療目的で使用しているクラッチ(主にロフストランドクラッチ)により、体を支えながら競技を行う



――そんな中で迎えた2022年のワールドカップですが、「一つの目標を達成すると新たな壁が待っている」。大会が始まると、このことを強く感じたそうですね。
【遠藤】このときは主将としての重圧もありましたが、それ以上に自分のモチベーション管理に苦労しました。実際、私が試合に出たのは初戦と最終戦だけ。プレイヤーとしての悔しい気持ちもありながら、主将としてチーム全体を見て、メンバーを盛り上げる必要もある。やはり葛藤がありましたね。

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スピード感とダイナミックな動きが魅力のアンプティサッカー


――どのように気持ちを切り替えたのでしょうか?
【遠藤】一度冷静になり「チームが勝つために、今自分ができることは何か?」を考えました。そして、そこに最大限の力を注ごうと。そういう意味では、「主将」という役割に救われた部分もあります。

――仕事でも「自分の置かれた立場を認識し、スイッチを切り替える」というのは、なかなか難しいと感じます。
【遠藤】そうですね。ただ私の場合は、事故に遭ったことで「今できることを見つけて、精一杯やる」という部分が、ベースにあるのかもしれません。その結果、自らが成長でき、新たな壁を乗り越えられたと感じます。

――まさに「突破力」ですね。
【遠藤】また、2022年のワールドカップでは、薬剤師としての立場を生かせた点も良かったと思います。

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主将と薬剤師、両方の立場でメンバーをサポート


――皆さんも、遠藤さんが近くにいてくれたら心強い!!
【遠藤】疲れが溜まっていそうなメンバーには、栄養剤を提供するなど……。薬剤師としても、チームメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、サポートしてゆきました。もし、次の大会でプレイヤーになれなかったら、メディカル担当として同行します(笑)。

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薬局には「予防治療」に関する商品も揃っている


――最後に、今後の夢をお聞かせください。
【遠藤】横浜市戸塚区で生まれ育ち、現在もこの地で薬剤師として働いています。何かの縁があったと感じているので、今後も地域密着型の薬局、アスリート視点からの健康相談も受け付ける(※要予約)薬剤師として頑張ってゆきたいです。

また、私はアンプティサッカーと出会ったことで人生が大きく変わりました。だからこそ、もっと多くの人にこの存在を知ってもらえるよう、その活動にも力を入れていきたいですね。私の姿やアンプティサッカーを見た方が、何かにチャレンジするきっかけをもって、勇気を出して一歩を踏み出してくれたらと! 

これからも、そんな自分にしかできないことに全力で取り組みたいと思います。(取材・文/小林 真由美)

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◆遠藤さんの所属チーム◆
FCアウボラーダのホームページはコチラから

◆アンプティサッカー 2023年のスケジュール◆
第八回レオピン杯Copa Amputee
2023年5月13日(土)・14日(日)
花博記念公園鶴見緑地球技場(大阪府鶴見区浜1-1-37)

「FCアウボラーダ」は、4大会連続優勝中で大会5連覇を目指す!

◆まめの木薬局◆
●住所:神奈川県横浜市戸塚区戸塚町157−15 フタバビル1階102 
JR「戸塚」駅下車 徒歩10分
●TEL:045-443-6940
●営業時間:9:00〜18:00(月・火・水・金) 9:00〜17:00(木)
9:00〜13:00(土)
●ホームページ:「まめの木薬局」のホームページはコチラから

※ホームページから処方箋の調剤予約も可能です。

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