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LTR通信
2024年01月11日 [LTR通信]

【LTRビト】資格取得に向けて学び続けた10年 建築士、不動産鑑定士の2本柱が大きな強みに!

【LTRビト】は、毎回LTRメンバーの1人が登場し、士業として、働く人として、さまざまな想いを語るスペシャルコンテンツです。今回は、「株式会社 鈴木設計・鑑定総合事務所」不動産鑑定士・一級建築士 鈴木 泰三氏へのインタビュー記事をお届けします。
※こちらの記事は「LTR通信2024新春号」に掲載中です。



「建築士の資格だけで大丈夫だろうか……」先代の建築設計事務所を継ぐことを決意したものの、不況の中で感じた不安。そんなとき、ふと資格に関する本を開いて目にしたのが「不動産鑑定士」の文字でした。

鈴木 泰三氏は2009年に株式会社 鈴木設計・鑑定総合事務所を設立し、現在も建築士と不動産鑑定士の資格を最大限に生かしながら、お客さまのニーズに応えています。資格を取得するまでに感じたこと、この仕事の魅力などについてお話しいただきました。


物心ついたときから建築士である父の姿を見ていたせいか、漠然と「同じ道を歩みたい」と考えていました。そこで、大学も工学部の建築学科へ。卒業後は、神奈川県内にあるゼネコンに入社し、多忙な日々が始まります。

時代はバブル崩壊後の90年代半ば。仕事の経験を着実に積みながらも、不景気の中で建築業界への不安は高まりました。入社当時から父の建築設計事務所を継ぐことは視野に入れていましたが、「このまま受け継いでも、やってゆけるのだろうか」という気持ちが次第に強くなり……。

1999年に父の会社(鈴木建築設計事務所)へ移り、一級建築士の資格を取得してからも、不安な気持ちは消えません。そんな中、「不動産に関係する資格には、どんなものがあるんだろう?」と軽い気持ちで書店に入り、資格に関する本を開くと、そこには「不動産鑑定士」という文字が! 初めて見た資格ながら、「これを取れば、仕事の幅が広がるかもしれない」となぜかピンときた私は、建築士に続き、再び資格取得のために勉強することを決意します。


「不動産鑑定士」になるためには2年相当の実務経験が必要だったため、週の前半を設計事務所、後半を鑑定士事務所で過ごし、数年後「不動産鑑定士」の資格を無事に取ることができました。建築士を含めると、約10年間は資格取得のために学んでいたことになります。

実は鑑定士事務所で働きながら気付いたことですが、不動産鑑定士は “建築のプロ”ではなく、あくまでも鑑定するのが仕事。そのため、建築物に関することはそこまで詳しくありません。たとえば、鑑定するのが大きな土地だった場合、具体的な造成計画を立てることがあります。そんなときは、建築士の資格や経験がとても生きるのです。

現在も不動産鑑定士の仲間から、「現場(鑑定する建物)を見てほしい」という依頼や相談が多く、建築士でありながら、不動産鑑定士の資格を持っていることが大きな“武器”となっています。


毎年3月になると、「あぁ、今年もこの季節がやってきた!」と感じる仕事があります。それは、20年前から携わっている「海の家」(由比ガ浜海水浴場)の許可申請や設計監理、コンサルティングの業務です。

海開きの7月1日までにあらゆる申請を進めるため、スケジュールはかなりタイト。この期間は集中して忙しくなりますが、それ以上にやりがいもあり、気が付けば20年が過ぎていました。

ほかに担当した仮設建築物は、横浜市金沢区海の公園内の「かき小屋/期間:2023年11月1日〜2024年3月31日」や、山下公園で開催されるイルミネーションイベント「イルミーヌ・ヨコハマ 2023〜横浜の未来が輝く〜/期間:2023年12月1日〜31日(スタッフ控室・受付ブース)」など。最近では、都内や関西エリアからの依頼もあり、皆さまが楽しく集う“場“に携われる喜びと大きなやりがいを感じています。


北鎌倉などが舞台の小説『ビブリア古書堂の事件手帖』は、一つ一つの古書にストーリーがあることを教えてくれます。同様に、不動産にもそれぞれ深い物語があります。不動産の評価をする際、依頼主の方から提供される資料には、まるでドラマのような出来事が潜んでいることも!

もちろん建築士としての仕事でも、家を建てるときの想い、その土地に長年住んでいた人の想いなど、不動産の背景にある「物語」を感じる楽しさがあります。それこそが、この仕事の醍醐味なのかもしれません。

これからも、建築士と不動産鑑定士という二つの柱で、皆さまのお力になれるよう取り組んでゆきたいと思います。(取材・文/小林 真由美)

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